「そもそもコージーってどんなもの」「『ピザマンの事件簿』はコージー?」
たぶんコージー……男性が主人公だけど……。
(一昔前ならジェフ・アボットの「図書館館長シリーズ」や、ロビン・ハサウェイの「フェニモア先生シリーズ」、今ならJ・B・スタンリーのダイエット・クラブ・シリーズ」も男性が主人公ですね)。
日本だと『謎解きはディナーのあとで』になるのかな。わりと軽めで。若竹七海とか。
「昔はナンシー・ピカードとかキャロリン・G・ハートとか、けっこうしっかりしたお話があったよね」「絶版になってるのは、もったいないね」
はい、シャーロット・マクラウド(アリサ・クレイグ)も絶版です。実にもったいない。
「キャロリン・G・ハートとか、シャーロット・マクラウドって、シビアなお話しもあったけど、コージーなの?」
ああいうミステリが、たぶん本来コージーと呼ばれていたミステリでは?
日本ではたぶんマクラウド、ハート、ピカードなど(他にもいろいろいますが)がコージー・ミステリと分類されるようになって、たぶんドナ・アンドリューズあたりが分かれ目(ドナ・アンドリューズはお料理ミステリじゃないけど)。で、ジョアン・フルークの「ハンナ・スウェンセン・シリーズ」が出版されて、一気にレシピつきのミステリが増えたのではないかな。
「お勧めのコージーってある?」
新しいのなら「アガサ・レーズンのシリーズ」。まだ1作しか出てないけど、現代のミス・マープルって思う。これがだめならコージーは向いてないかも。
でもいちばん勧めたいのは、やっぱりキャロリン・G・ハートかな。アニー&マックスのシリーズが有名だけど、わたしはヘンリーOのシリーズが好き。このシリーズ読んで、コージーが好きになったから。
今日の課題書があわなくても、他の作品もぜひ読んでみてくださいね。
今日はありがとうございました。次回は11月2日(金)で、本は決まってませんがスウェーデン・ミステリです。
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その他の主な意見
・間違った使い方をされているダンス用語が散見された。作者はきちんと調べてないのでは。
・ミステリって本来、謎解きだけでいいのでは。
・どうして今コージーが読まれて、3Fミステリが読まれないのか……というか翻訳されないのか。
・コージーもハードボイルドもキャラクター小説。書き方によってコージーにもハード・ボイルドにもなる。
・SJローザンのリディア&ビルのリディアが主人公の回、ハードボイルドだけど、コージー的でもある。(ローラ・リップマンのテス・モナハン・シリーズも)
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読書会ではこんな作品もコージーです、参考にしてくださいと、名古屋在住で名古屋読書会幹事の書評家Oさん(名前出していいかわからないので一応イニシャルで)からいただいた、《本の雑誌》のコラム「コージ魔多し」を参加者のみなさんにお配りしました。
にしても、お料理ミステリでもないジェフリー・ディーヴァーの『ボーン・コレクター』で、あれだけ子牛のすね肉の料理法について話し合った大阪読書会なのに、料理が話題になりませんでした……。全体的にかなりつっこんだ話し合いになったせいでしょうか。新しい方はついてこられたでしょうか? 心配です。これにめげず、また来ていただけるとうれしいです。
あ、それとなぜ今コージーが読まれて、3Fミステリが読まれないのかってテーマ、これは参加してなかったしおもしろいので、そのうち自分なりの意見を書いてみようかな。
コージー・ミステリとは
●基本はフーダニット(誰が殺したか?)。
●小さなコミュティで起こる=容疑者が限定される。
●残虐なシーンがない、あっても少ない。
●ロマンスがあっても、ベッドシーンはほとんどない。
●男女問わず素人探偵が活躍
●殺人事件が起きても日常生活は続く。
●読後はすっきり、さっぱりと。
●元祖はアガサ・クリスティのミス・マープルのシリーズ。
●現在のコージー・ミステリ隆盛の礎を築いたのは、シャーロット・マクラウド。
(終)
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