7月1日(日)、お茶とお菓子をいただきながらのクリスティー(『スタイルズ荘の怪事件』)読書会。あ、でもわたしはお菓子を食べ損ねてしまいました(T-T)。参加者のみなさん、ちゃんと食べられましたか?
閑話休題。
『スタイルズ荘の怪事件』ってポワロの初登場作であり、クリスティーの処女作でもある。そのわりにはわりと地味だし、話題に上がることもない。駄作でもなければ傑作でもない。まあ処女小説だからそんなもんか。でもトリックって当時としてはかなり斬新では?
感想で多かったのは「何度か読んだことあるけど忘れてる」。中には感想をブログにまで書いているにもかかわらず、さっぱり覚えてないって方も!
「何度読んでも忘れちゃう……いやどんでん返しが何度もあっておもしろいんだけど」で、原因のひとつは、「登場人物が多くて、人が覚えられない」。「そもそも人が覚えられないのって、個性がないからやん」。「クリスティーのってみんなそんな感じよね」「個性がない!」……いやそれを言っては……。
「でもこのトリックのパターンって、この後、別の小説で何度か出て来るよねぇ」「そうそう有名なのはあれとあれ」「スタイルズ荘ははじめてなのに、読んだことある気がしたのはそのせいか……」「クリスティーって、このパターンが好きなのかなぁ」
「そういえば、ポワロが可愛かった」「あんな可愛かったっけ?」「庭で飛び跳ねてるポワロ?」「それは徐々に軌道修正が……」「ヘイスティングズがなんだかすっごい上から目線」「ヘイスティングズって、若かったんだ!」「そういえば、この作品……ヘイスティングズ大尉って呼ばれてなかったね」「それからこんなシーンがあったんだけど……これって何?」
― 引用 『スタイルズ荘の怪事件』矢沢聖子訳/クリスティー文庫―
そう言いながら彼(ポワロ)はわたしをじっと見た。わたし(ヘイスティングズ)は見つめられて顔が赤くなるのを感じた。
― p68 引用終わり ―
「えぇーっ、そんなシーンあったっけ」わいわい……ということで、一応結論はでました。いや、このシーンをそう考えるのが一番まっとうなのですが……。
クリスティー読書会と言えば、さまざまなバージョンの訳書と原書を持ち寄って訳違いを探すのが恒例になりつつありますが、今回もありました……。いやぁ、それってそういうことでしたか……なるほどなるほど……。ここは一番読書会で盛り上がるところ。
「そういえば「こより」が出て来るけど……日本人のイメージする「こより」って、あの細いやつだけど……」「DVDで見たけど、3つぐらいに裂いて、ちょこっとねじって、暖炉のたき付け用だから……」「だよね……あの状況で日本風なの作ってたら、あれだよね……」
「そうそうドアの開閉とか鍵とかよくわからなかった」「コーヒーとか、ココアのこととか……えっと……」……いやいや、そのあたりを深く追求しては……。
「あの、子供の頃に子供用のミステリ辞書みたいなので読んだんだけど、ヘイスティングズってバカだから途中でいなくなったって、それ、本当?」「え、ええっ!」……読書会の常連Kさん作のリストを見ると……15作目の『ナイルに死す』以降出てこず、最終作の『カーテン』でやっと出て来るようだ。
ヘイスティングズが途中で消えたのは、本当に彼がバカで無能だったからなのか?
最後に、いつもすばらしいリストを作って下さるKさん、ありがとうございます。頼りにしてます!
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